“ごちそう感”が、大切になってきた気がする
2025.06.30「ごちそう」と聞いて、何を思い浮かべますか?
分厚いステーキや高級寿司?高度成長期の日本では、手に入りにくくて高価な料理が“ごちそう”の象徴だったように思います。
今は、誰かにとっての贅沢より、“自分にとっての特別”を大切にする人が増えてきているようです。
ごちそうの条件は、自分で決める
一日がんばった自分に用意する、お気に入りの一皿。旬の野菜を使った、シンプルな料理。気負わずに楽しむ、マイホームディナー。
そんな料理が、ふと“ごちそう”になることってありますよね。
「何を食べるか」よりも、「どう感じるか」が、いまの“ごちそう”の価値を決めているように感じます。
Z世代の食の傾向に見る、ごちそうの変化
この変化を象徴する存在として、Z世代の食の傾向があるといわれます。
たとえば、噛むのが疲れるステーキより、やわらかな食感を好む、という声も聞かれますが、肉が悪いとか健康云々ではなく、「気持ちにフィットするかどうか」で選ぶという、自分らしい視点を大切にしていると考えられます。
プラントベースを「ごちそう」にしたい
かつては、野菜は付け合わせや“脇役”のように扱われることも多くありました。いまでもさほど変わらないかもしれませんね。 でも今では、植物を主役にした料理——プラントフォワードというスタイルも、“選べるごちそう”のひとつとして、少しずつ、そして自然に受け入れられてきたと感じます。
たとえば、彩り豊かな野菜のグレインボウルのような料理。特別な食材じゃなくても、気分に合っていて、自分が「これ、いいな」と思える一皿なら、それがごちそうです。
くふうどは、植物性の料理が好きです。好きだから、ふと気がつくとプラントベースの料理を15年以上触れてきました。
もちろん、動物性を否定することはありません。食の好みや習慣、歴史、文化は、それぞれ尊重されてこそ豊かになると考えています。ただ、好きなのです。
「ごちそう」は、誰かに決められるものではなく自分の感覚で選ぶもの。何を食べるか、どう食べるか——そのすべてが、「自分のごちそう」をつくってゆきます。